2019/02/09 15:55

一週間ばかり、名古屋から東京へと行ってきました。僕は、中古盤屋さんが大好きです。古本屋さんも大好きです。埋もれた記録媒体を漁って、宝探しでもするかのように、時間を忘れ掘り続けるのです。特に、昭和の香り残る、いわゆる街のレコード屋さんや、古本の片隅に邪魔もののようにダンボール箱に打ち捨てられているドーナツ盤などを見つけると、アドレナリンやらドーパミンやら、得体の知れない快楽物質が湧き上がるような気がします。でももうそんな店も少なくなってきましたね。小綺麗に区画整理され、遊びの余地もないような、同じような色ばかり並んでいるような、つまらない時勢になってきている。嘆いていても仕方ないので、残された昭和の匂いを追い求めて、街へ繰り出すのです。

名古屋・大須には、いまだレコード屋が多い。アーケードが連なる下町風情も素敵だ。大須観音の辺りで、骨董市のような催事が行われていた。昔ながらの、着物やらコケシやら壺やら雑貨などが並んでいた。もちろん古レコードもあったのですが、ゴミのように雑然と段ボールに投げられていたドーナツ盤、そんなジャケットも揃っていないような状態のレコに値段を尋ねれば、一枚五百円から千円とぶっきら棒に答えるオヤジ。これには凹む。ボロボロの状態ばかり、多分引き取ってきたそのまんま、店舗で売ってしっかりした値札がつけられている商品は、如何に汚かったものであろうと、磨き新しい袋に変え身支度を整えられている物であるから、手も愛情もかかっている。アンタのような投げ売りで、その価格設定はどうなのでしょう? 掴んでいたドーナツ盤を手放しそうになったが3枚だけ購入。こういった場所なので勉強してもらえるとお思いでしょうが、二千円とか訳がわからない値を云うので、一枚五百円でしょ、と言ったら、せこい客だとの返答、今にして思えば止してしまえば良かったのだけど千五百円で買ってしまった。(たいした盤でもありません)オマケに買い上げ袋を要求したら、袋は千円と、冗談にも思えない台詞で、なんとも呆れたヤツだった。そんな嫌な思いをしたけれど、大須にある中古盤屋さんは粒ぞろい。ひとつあげるとしたら「greatesthits(グレイテストヒッツ) 」2階は年中セール特価で、いわゆるエサ箱には安価で拾いもんがたくさんあった。その他にも、もたもたの電気店、ゲームソフトや電化製品の傍の棚に、ひっそりと並んでいるシングルなんかを見つけて、興奮した!

東京では、やはり地元・下北沢を中心に動いた。大手「ディスクユニオン」はやはり外せない。普通に宝探ししていても出てこないような盤が、まぁ適正価格で見つけられる。ここで個人的にフォローしてる「安藤昇/男が死んで行く時に(EP)」を発見、他に握った数枚と共にエサ箱をカニのように横歩きし、一列をやっつけたら隣の一列というように移動、そして最後の列を見終え、さて選別して会計というところなのであるが、その握った盤の束の中に組長のシングルが無いのだ。あれれ??? 移動の折に、列に戻ってしまったのかと、もう一度探してみたけれど見つからない。周囲にいた他のお客さんを訝しるが、そんな安藤昇好きが然う然う居るわけもないじゃないかと、首を振る。結局、どんなに探しても見当たらず、泣く泣く清算。いったいあのレコはどこに消えてしまったのだらうかアセンション?
東京は中央線界隈に名店が多い。今回は行けなかったけれど、高円寺「ヨーロピアンパパ」はまさに昭和の良き中古盤屋さんです。僕が10代からお世話になっている先輩がやっているお店。行く機会がある方はぜひどうぞ。
高円寺ヨーロピアンパパ : http://europeanpapa.com

最後に訪れたのは、荻窪・昭和12年創業「月光社」先代から三代目の由緒正しき中古レコ屋さん。クラシックやジャズが中心だが、ドーナツ盤もしっかりと並んでいる。レーベル別という謎の仕分けであるが、逆に新鮮かもしれない。小さな店舗だが、真空管アンプでしっかりクラシックが流れ、他のお客さんとの会話を耳にエサ箱を漁る。中学生がお母さんに聴かせたいからとプレーヤーを買い、ここでジュリー(お母さんがファンらしい)のLPを買っていくという、なんか泣けてくるようなエピソードを小耳に挟む。これこそ、顔と顔の対面商売、実店舗は偉大です。少しでもセーヴしていきたいと、及ばずながらもエサ箱をつつくのであります。

そんな漁盤旅を終え、掴んだドーナツ盤200枚あまり、
ゆっくりとBASE店に追加していきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。アーティスト別強化しています!

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